【医師が解説】無痛分娩のデメリットは?
現役医師が解説!
無痛分娩のデメリットは?
こんにちは!現役医師が運営する無痛分娩チャンネルへようこそ!
「無痛分娩に興味あるけど、デメリットは?」
「お産が長引くって聞いたけど本当?」
「赤ちゃんへの影響は無いの?」
無痛分娩を検討する妊婦さんから、寄せられる不安の一つが「デメリットやリスク」です。
大きなメリットがある無痛分娩ですが、医療行為である以上デメリットも存在します。
ですが正しい知識があれば過度に恐れる必要はなく、万が一の際も冷静に対応できます。
今回は現役麻酔科医が無痛分娩のデメリットやリスクについて解説していきますね!
👇リスクをサクッと知りたい方はこちらをお勧めします!
<目次>
結論
無痛分娩って?
1.合併症リスク
2.お産が長引く
3.背中の麻酔が大変
4.ご飯や飲水の制限
5.追加費用がかかる
6.必ず対応してもらえる訳では無い
終わりに
結論
無痛分娩のデメリットの本質は
「麻酔に伴う身体への負担」
「お産の進行への影響」
「医療体制や費用の制限」
の3つに集約されます。
合併症の多くは一時的で適切な処置により回復しますが、分娩時間の延長や吸引分娩の確率が上がる点、また全ての産院でいつでも受けられるわけではない点は事前に知っておくべき重要なポイントです。
リスクとメリットを天秤にかけ、納得のいく選択をすることが大切です!
無痛分娩って?
無痛分娩とは「硬膜外麻酔」という方法で、お産の痛みを普段の生理痛レベルまで減らす分娩方法のことです。
背骨の隙間から針を刺して、脊髄の外側に細いチューブを留置し、そこから麻酔薬を持続的に投与して下半身の痛みを和らげます。
陣痛の痛みを大幅に和らげて体力温存につながる一方で、体内に器具を留置して薬を使うので、特有のデメリットやリスクがあります。
1. 合併症リスク
無痛分娩のリスクは「麻酔の針によるもの」と「麻酔薬によるもの」に分けられます。
■麻酔の針によるリスク
背中の痛み: 針を刺した場所が数日間痛むことがあります。小さな内出血ができることもありますが、多くは自然に消失します。
硬膜穿刺後頭痛(100人に1人程度): 予定よりわずかに深く針が入ると「起き上がると激しく痛む」頭痛が起きます。安静や水分摂取、カフェイン製剤、漢方薬などで改善しますが、症状が強い場合は「ブラッドパッチ(自身の血液で穴を塞ぐ処置)」を行うことがあります。
神経障害や血腫・膿: 数万人に1人の確率で神経のしびれや、血の塊・感染の膿による足の麻痺などが起こる場合があります。「足が動かしにくい」「背中に激痛が続く」といった症状があれば速やかな対応が必要です。
■麻酔薬によるリスク
血圧低下: 麻酔の影響で血管が広がり、一時的に血圧が下がる事があります。
運動ブロック・感覚異常: 足に力が入りにくくなったり、いきむタイミングが取りづらくなることがあります。
尿閉: 膀胱の感覚が分かりにくくなるため、おしっこが出しづらくなり導尿が必要になります。
かゆみ・発熱: 麻酔薬の副作用やかゆみ、また一時的な体温上昇がみられることがあります。
重篤な合併症(10万人に数人): 麻酔が効きすぎる「高位脊髄麻酔」や、麻酔薬が血管内に入ってしまう「局所麻酔薬中毒」などがありますが、モニタリングと迅速な処置体制により安全管理が徹底されています。
※より詳しい合併症の解説はこちらから
【医師が解説】無痛分娩・お母さんへのリスクは?
2. お産が長引く
硬膜外麻酔を使用すると、下半身の感覚や陣痛に対するいきみ感が鈍くなることがあります。その結果、お産の後半の進行が緩やかになり、分娩時間が長引く傾向があります。
また、赤ちゃんが自力で降りにくくなることで、吸引分娩や鉗子分娩などの器械分娩(医療器具を使って赤ちゃんの出産をサポートする方法)になる確率が自然分娩に比べて高くなります。
背中の麻酔が大変
無痛分娩の処置では、ベッドの上で背中を丸めた姿勢(エビのような姿勢)を数分間キープする必要があります。
陣痛の痛みが来ている最中につらい体勢を維持しなければならないこと、また背中に針を刺す恐怖感や緊張感そのものが、精神的・肉体的な負担に感じられるお母さんも少なくありません。
ご飯や飲水制限
安全に麻酔管理を行うため、および万が一の緊急帝王切開などに備えるため、病院によっては食事や水分摂取の制限が厳しくなることがあります。
お産が長引いた場合、お腹が空いていたり喉が渇いていたりする中でエネルギー不足を感じるお母さんもいらっしゃいます。
病院ごとの食事・水分ルールを事前に確認しておくと安心です。
費用
無痛分娩は原則として健康保険が適用されない「自費診療」扱いです。通常の分娩費用に加えて、麻酔管理料や技術料、薬剤費が加算されるため、一般的に10万円〜20万円ほどの追加費用がかかります。
都内であれば10万円分の補助金が出たり、地方でも自治体によって補助金を出しているところもあるため、下の記事で確認してみてください。
【2026年最新】東京以外の無痛分娩補助金が出る自治体まとめ
必ずしも対応してもらえるとは限らない
実は無痛分娩はすべての産院でいつでも受けられるわけではありません。
・計画無痛分娩の場合、「平日の日中」で生まれなければ麻酔が中断になるケース
・陣痛が予想より早く来て、麻酔の体制が整う前に出産になってしまい「間に合わなかった」ケース
・24時間365日対応であっても、麻酔医が手術中などで対応できないケース
このように、自分の希望するタイミングや状況で100%確実に麻酔を受けられるとは限らない制限があります。
ちなみに計画無痛分娩と自然無痛分娩(オンデマンド)の違いはこちら。
終わりに
無痛分娩には、お産の痛みを大幅に和らげられる大きなメリットがある一方で、上記のようなデメリットが存在します。
大切なのは、メリット・デメリットの双方を正しく理解した上で、ご自身の希望やライフスタイル、そして通院・分娩予定の病院のサポート体制をしっかり見極めることです。
納得のいく素晴らしいお産を迎えるための参考になれば幸いです!
関連記事
無痛分娩の合併症・リスクを分かりやすくまとめたのがこちら
お母さんへの影響についてはこちら
お産の進行への影響についてはこちら
赤ちゃんへの影響についてはこちら
管理人
最新コメント
コメントを書くコメントはまだありません