【現役医師が解説】無痛分娩・おなかの赤ちゃんへのリスクとは?

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合併症・リスクについて

無痛分娩、赤ちゃんへの影響は?

医師が教える「知っておきたいリスク」

 

「お産の痛みを減らしたいけれど、麻酔が赤ちゃんに悪影響を与えないか心配……」

 

無痛分娩を検討されるお母さんから、最も多く寄せられる不安の一つが「赤ちゃんへのリスク」です。

結論から申し上げますと、無痛分娩(硬膜外麻酔)に使用する麻酔薬が赤ちゃんの成長や発達に直接的な悪影響を及ぼすことはありません。

しかし無痛分娩が医療行為である以上、お産の経過で赤ちゃんに間接的な影響が出る可能性はゼロではありません。

今回は無痛分娩の現場で働く医師である私が、赤ちゃんに関わるリスクとその対応について詳しく解説します。

 

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【5分で分かる!】無痛分娩のリスク・合併症について

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無痛分娩・お母さんへのリスクとは?

無痛分娩・お産の進行に与える影響とは?

 

<目次>

1.  麻酔薬はお腹の赤ちゃんに影響しないの?

2. 一時的な「心音低下」のリスク

3. 出生後の成長・発達に影響はある?

4. まとめ:安全なお産のために

 


1. 麻酔薬はお腹の赤ちゃんに影響しないの??

皆様、そもそも無痛分娩がどこから麻酔薬を投与するのかご存知でしょうか。

近年の無痛分娩で主流となっている「硬膜外麻酔」では、背骨の隙間から針を入れて、脊髄の外側にある硬膜の近くに細いカテーテルを通して、そこから少量の麻酔薬を注入する方法となります。

 

日本産科麻酔学会より

 

ここでポイントとなるのが

■麻酔薬は局所麻酔薬を中心に使う

■麻酔薬は血管内には投与しない

■神経の近くに投与するので少量で効く

という点です。
 

昔は麻酔薬を直接点滴で血管内に投与していたため、麻酔薬が胎盤を通って赤ちゃんにまで到達し、赤ちゃんが麻酔薬の影響を受けることがありました。(スリーピングベイビーと言う)

ですが現在の無痛分娩は、血管外に局所麻酔薬を少量投与するだけなので、赤ちゃんに影響を与えることはほとんどないとされています。

生まれた直後の赤ちゃんの元気度を表す『Apgarスコア』という指標も、無痛分娩を選択しなかった場合と変わらないと報告されていますし、むしろ無痛分娩ではお母さんの痛みが軽減して胎盤への血流が増加し、赤ちゃんに酸素が届きやすくなるというメリットもあります。

Medicina (Kaunas). 2025 Nov 27;61(12):2109.


2. 一時的な「心音の低下」のリスク

麻酔薬そのものよりも注意が必要なのは、麻酔によって引き起こされる「お母さんの体の変化」が赤ちゃんに与える間接的な影響です。

具体的には、麻酔薬投与直後に赤ちゃんの心拍数が低下することがあります。(遷延性一過性徐脈と言う、頻度は3-20%ほど)

 

項目内容
なぜ心音が下がるのか?麻酔が効き始めると、痛みが改善されたり血管がリラックスして広がることで、一時的にお母さんの血圧が下がることがあります。お母さんの血圧が下がると、胎盤を通して赤ちゃんに送られる血液の量も一時的に減るため、赤ちゃんの心拍数(心音)が下がってしまうことがあるのです。
対策方法そもそも心音の低下はお母さんの生理的な反応であり、多くは自然に改善します。加えて、我々が常に分娩監視装置で赤ちゃんをチェックしており、赤ちゃんの心拍の戻りが遅い時は、血圧を上げる薬、お母さんの体位変換、点滴の増量、酸素投与などで、速やかに回復させることも可能です。

 

しかしこれはお母さんの体の生理的な反応によるものであり、数分〜数十分で改善することがほとんです。

しばらく経っても改善しない場合は、お母さんの体勢を変えたり、点滴を増やしたり、血圧を上げる薬を使ったり、酸素を投与したりといった対応を行う場合があります。

また無痛分娩を開始する時にはCTGモニターと言って、陣痛の強さと間隔や赤ちゃんの心拍数を計測するモニターを装着して厳重にお母さんと赤ちゃんの状態を常にチェックしているのでご安心ください。

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CTGモニター


 


3. 出生後の成長・発達に影響はある?

無痛分娩がお腹の中の赤ちゃんに直接影響を及ぼさないことは上でお話ししたのですが、では生まれた後はどうなのでしょうか。

実は数年前に『無痛分娩ではASD(自閉症スペクトラム)が増加する』可能性が指摘されたことがありましたが、その後の詳しい研究の結果、因果関係は否定されており、現在は自閉症のリスクを高める科学的根拠はないと日米の主要な学会が声明を出しています。

また、その他の発達障害や学習能力の低下に関しても多くの大規模な追跡調査が行われていますが、いずれも無痛分娩と自然分娩で子供の成長に差はないという結果を示しています。

子供の知能や発達は、遺伝的要因や出産後の環境、教育、栄養状態などが複雑に絡み合って決まるものであり、出産の数時間に使用した少量の局所麻酔薬が、数年後の知能に影響を与えるとは考えにくいのが医学的な常識です

日本産科麻酔学会(JALA)が公式に述べている通り、子どもの長期的な発達への悪影響を心配して無痛分娩を避ける必要はないのです。
 


まとめ:安全な出産のために

無痛分娩が医療行為である以上、絶対100%安全であるとは断言できません。

ですが、無痛分娩の赤ちゃんへのリスクは「起こりうる変化を予測し、早期に対応できる」性質のものがほとんどです。

むしろ、無痛分娩でリラックスして血流と呼吸を整えることは赤ちゃんにとってもプラスの側面があります。

大切なのは、リスクを正しく理解し、経験豊富な産科医・麻酔科医・助産師が連携している医療機関を選ぶことです。

ぜひ当サイトを活用して理想の病院選びを行ってくださいね!

 

ではでは!


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