【現役医師が解説】無痛分娩:お産の進行に与える影響とは?

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合併症・リスクについて

現役医師が解説!

無痛分娩がお産の進行に与える影響とは?

 

「無痛分娩って、お産が長引くって聞いたんだけど本当…?」

「帝王切開になりやすくならないの?」

無痛分娩を受けようとする妊婦さんの多くが「お産の進み具合はどうなるの?」という疑問を抱かれます。

「お産が長引く?」「帝王切開になりやすい?」といった噂を耳にして、不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。

今回は無痛分娩の現場で働く医師である私が、麻酔によってお産の進み方はどう変わるのかについて分かりやすく解説していきます!

 

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<目次>

はじめに結論

1.お産の序盤

2.お産の終盤

3.赤ちゃんが生まれる時

終わりに医師からのアドバイス

 


 

はじめに結論

まず結論からですが、無痛分娩では

お産が長引くリスク

器械分娩になるリスク

がそれぞれ増えると言われています。

 

1番の理由は麻酔薬を使うことで『子宮収縮の抑制』、『骨盤筋の緩み』、『いきむ力の低下』といった副作用が起こりうるためです。

 

ですがその一方で、帝王切開のリスクは増えないことがわかっています。

 

今回はそれぞれのリスクを

「お産の序盤」→「お産の終盤」→「赤ちゃんが生まれる時」

という実際のお産の流れに沿って解説していきますね!


1. お産の序盤

無痛分娩を導入することで、お産の序盤が長引いたり、陣痛が遠ざかる可能性があると言われております。 いわゆる微弱陣痛と呼ばれるもので、麻酔薬により子宮収縮が抑制されてしまうのです。

※ちなみに今回は『陣痛が始まってから子宮口が全開大して破水するまで(分娩第一期)』をお産の序盤と定義しております。

※文献によってはお産の序盤(分娩第一期)は伸びないとも言われております。

陣痛の強さや間隔を調べるCTGモニター 胎児心拍数陣痛図(CTG)の読み方講座より 

その対応として、無痛分娩を開始するタイミングを『妊婦さんが痛くなって無痛分娩を希望したタイミング』ではなく、『陣痛がある程度強い+間隔も短くなってお産が進みそうと医者が判断したタイミング』にすることがあります。

施設にもよりますが、子宮口が少なくとも3〜5cm開大してから無痛分娩を開始することが多いです。

また、もし微弱陣痛になったとしても、オキシトシンと呼ばれる陣痛促進剤を使用することで、お産の進行を手助けできるのでご安心ください。


2. お産の終盤

お産の終盤である分娩第二期(破水してから赤ちゃんが生まれるまで)は、特に長引くリスクが増えると言われています。

文献にもよりますが、無痛分娩を行うと分娩第二期の時間が数十分ほど延長すると言われております。

通常の分娩だと分娩第二期は2時間以内が正常とされていますが、無痛分娩だと3時間以内が正常とされます。

 

 

ただ赤ちゃんの状態が良く、お産が進んでいて、お母さんの痛みも和らいでいるのであれば、分娩第二期がある程度長くなることは問題ないと考えられています。

またお産の終盤が特に長引く理由として、麻酔薬が少しでも効き過ぎると子宮の張りが分からなくなったり、筋力が低下したりすることで、上手くいきめなくなってしまうためです。

そのため、お産の終盤ではいきむ感覚を残すことを優先し、お産に影響しない範囲で麻酔薬を追加して、痛みをコントロールする場合が多いです。

 さらに、事前に助産師さんと一緒にいきむ練習をしておいたり、実際にいきむタイミングを助産師さんから伝えてもらうことで、問題なくお産を行える人も多くいるので、不安な方は助産師さんに伝えておくと良いでしょう。


3. 赤ちゃんが生まれる時

最後は赤ちゃんが生まれる時への影響についてです。

無痛分娩に限らずお産が長引いたり、いきむ力が不十分な場合は器械を用いて出産を手助けする場合があるのですが、無痛分娩だと器械を用いて分娩を助ける必要がある可能性が高くなると言われております。

 

そもそも器械分娩には吸引分娩、鉗子分娩の2種類があります。

※吸引分娩とは 赤ちゃんの頭に吸引カップを取り付けて、そのまま圧をかけて引くことで赤ちゃんが出てくるのを助ける方法です。

※鉗子分娩とは 赤ちゃんの頭を鉗子で挟んで引き出す方法です。

済生会宇都宮病院HPより引用

 

どちらの方法も器械を用いるので器械分娩と呼ばれます。合併症としては器械で引っ張るときに、赤ちゃんの頭に血腫ができたり、頭皮に傷ができることもありますが、自然によくなることがほとんどです。

 


4.帝王切開のリスク

無痛分娩を行うと器械で分娩を補助する可能性は増えるのですが、帝王切開になるリスクは増えないとされています。

日本産科麻酔学会:Q15. 硬膜外鎮痛はお産に影響するでしょうか?

米国産科麻酔学会:無痛分娩と帝王切開のリスクについて

 

また無痛分娩のメリットとして、万が一帝王切開になったとしても既に背中に入っているカテーテルから麻酔を行うことができるため、緊急時に慌てて麻酔を受ける必要がなく、スムーズに手術を受けることができるという点があります。


終わりに・医師よりアドバイス

まとめますと、無痛分娩では『お産が長引くリスク』や『器械分娩になるリスク』が増えるとされ、『帝王切開のリスク』は増えないとされています。

実際に、無痛分娩はお産のスピードを緩やかにする傾向がありますが、それは決して「悪いこと」ばかりではありません。

痛みが少ない分、お母さんの体力が温存され、産後の回復が早まるという大きな利点もあります。

無痛分娩では麻酔科医と産科医、助産師は、麻酔の濃度を調整したり、陣痛促進剤を併用したりしながら、お母さんと赤ちゃんの安全を第一に考えてお産をプロデュースします。 リスクを正しく知った上で、納得のいくお産スタイルを選んでいただければ幸いです。


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