【現役医師が解説】無痛分娩のCSE法って何!?

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麻酔について

現役医師が解説!

CSE(脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔)って何?

AXELより

「無痛分娩って、麻酔が効くまで時間がかかるんでしょ?」 

「痛みがピークになってからでも間に合うの?」

そんな不安を抱える方に知ってほしいのが、CSE(Combined Spinal-Epidural:脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔)という手法です。

一刻も早く痛みを取りたい場面で威力を発揮する、無痛分娩の「スピードスター」とも言えるこの方法。

今回は、無痛分娩の現場で働く医師である私が、CSEの仕組みやメリット・デメリットについて分かりやすく解説します!


<目次>

・結論

・はじめに

・一般的な無痛分娩のやり方

・CSEってどんなやり方?

・CSEのメリット・デメリット

・DPEについて

・まとめ


結論

結論、CSE(脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔)とは

即効性の麻酔(2-3分で痛みが消える)と持続性の麻酔(お産の終わりまで無痛分娩を維持する) 

の2つを同時に行う、非常にパワフルな麻酔法です。

「今すぐこの痛みを取ってほしい!」という強い陣痛時や、お産の進行が早い場合に最も適した選択肢となります。


はじめに

無痛分娩を希望していても、麻酔を開始するタイミングは人それぞれ。 

「計画分娩で予め麻酔の準備をした上で始める妊婦さん」もいれば、「陣痛が急激に強まってから麻酔をお願いする妊婦さん」もいます。

特に後者の場合、一般的な麻酔では効果が出るまでに15分〜20分ほどかかってしまい、その間の痛みに耐えるのが辛いことも。

そんな時に頼りになるのが、今回ご紹介するCSEなのです。


一般的な無痛分娩のやり方

 

現在、日本の無痛分娩でベースとなっているのは「硬膜外麻酔(こうまくがいますい)」と呼ばれる方法です。

ベッドの上で横向きに寝て、背骨の隙間から針を刺していき、硬膜外腔と呼ばれる脊髄の外側のスペースにカテーテルを置いて、そこに麻酔薬を持続的に注入していく方法となります。

この方法の場合、無痛分娩を依頼してから、姿勢や薬剤、物品の準備をし(10分)、実際に針を刺してカテーテルを入れて(10分)、麻酔薬を投与して痛みが取れるまで(20分)

おおよそ40分前後かかります。

このようにタイムラグがあるため、もうすぐ赤ちゃんが生まれそうな妊婦さんや、激痛で今すぐ痛みをとってほしい妊婦さんにはあまり向いていないと言えるでしょう。

 

やり方: 背中の「硬膜外腔」という神経のすぐ外側のスペースに、細いカテーテル(チューブ)を入れます。

特徴: 脊髄に直接麻酔薬を投与するわけではないので、麻酔が効き過ぎるなどのリスクが低く、安全性が高い。

弱点: 薬が神経にじわじわと染み込むのを待つため、麻酔を投与してから鎮痛効果が出るまでに15分〜20分程度のタイムラグがあります。

 


CSEってどんなやり方?

CSEは日本語で「脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔」と言います。 名前の通り、2つの麻酔を「セット」で行う方法です。

簡単に言えば、すぐ効く麻酔とじわじわ効く麻酔を2つ同時に行うという方法です。

 

脊髄くも膜下麻酔(即効担当) 硬膜外腔よりもさらに深い、脊髄がダイレクトに通っている「髄腔(ずいくう)」という場所に、ごく少量の麻酔薬を直接注入します。これにより、麻酔を投与してからわずか2〜3分で劇的に痛みが取れます。

ただし、デメリットとしては持続性がなく1時間ほどで効果が切れてしまう点です。

 

硬膜外麻酔(持続担当) そこでそのデメリットを補うためにいつもの硬膜外腔カテーテルも同時に留置します。最初の即効薬が切れる頃には、カテーテルからの薬が効き始めているので、お産が終わるまでずっと無痛を維持できます。

 


CSEのメリット・デメリット

メリット

効きが早い: 注入した瞬間から足がポカポカし、数分で「さっきまでの痛みは何だったの?」という状態になります。

鎮痛が確実: 神経の近くに直接薬を入れるため、効きムラ(片効き)が少なく、お尻の方までしっかり効きます。

お産の進行に合わせやすい: 陣痛が強まってから麻酔を開始した無痛分娩でも、効果が早いため妊婦さんの負担を最小限に抑えられます。

 

デメリット

血圧低下: 急激に麻酔が効くため、一時的に血圧が下がり、吐き気を感じることがあります(医師がすぐに昇圧剤で対応します)。

胎児心拍への影響: 急激な鎮痛により、一時的に赤ちゃんの心拍が下がることがあります。

皮膚のかゆみ: 脊髄に使う薬の影響で、一時的に体がかゆくなることがあります。

 


DPEについて

最近では、このCSEをさらに改良したDPE(Dural Puncture Epidural)という手法も注目されています。

DPEは、CSEのように脊髄に直接薬を入れず、「針で小さな穴を開けるだけ」にとどめる方法です。

CSE: 即効性は最強だが、血圧変化などの副作用リスクがある。

DPE: CSEほどの速攻性はないが、硬膜外麻酔より早く効き、かつ副作用が非常に少ない。

まさに、CSEと硬膜外麻酔の「中間に位置する最新技術」と言えます。

 

CSEについて詳しく解説した記事もあるのでこちらをご参考ください。

【現役医師が解説】無痛分娩の最先端、DPE法とは?

 


まとめ

CSEは、「痛みを我慢する時間を最小限にしたい」という願いを叶える非常に優れた麻酔法です。

 特にお産の進みが早い経産婦さんや、強い陣痛でパニックになりそうな時には、これほど心強い味方はありません。

施設によって、最初からCSEを行う方針のところもあれば、状況に応じて使い分けるところもあります。 

「私の産院ではどんな時にCSEを使いますか?」と、ぜひバースプランの相談で聞いてみてくださいね。

皆さんの無痛分娩が、穏やかで素晴らしい体験になることを願っています!

 

ではでは!

 

 

 

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